Here, There and Everywhere

よりよい人生を送るために
愛する人にここにいてほしい

この場所で 毎日を積み重ねていく
彼女が手を振れば人生は変わる
誰も疑い得ない力がそこにはある

あの場所で 彼女の髪を手ですくい
これから起こる素敵な出来事にふたり思いをめぐらせる
誰かが話しかけても 彼女は気づかない

どこにいても彼女がそばにいてほしい
そばにいれば何も心配せずにすむから
彼女を愛すると どこにいてもその姿を探してしまう
愛とは分かちあうものであると知ること
お互いに愛は死なないと信じあうこと
彼女の瞳を見つめて
その瞳にいつも自分が映っているよう願うこと

どこにいてもそばにいたい
ここにいても そこにいても どんな場所であっても

Piano Man/Billy Joel

土曜日の九時になると
いつもの仲間が集まりだす
隣の椅子には年老いた男
ジントニックと愛を交わしている

彼は言う
「思い出の曲を弾いてくれないか
 うまくは言い表せないが
 悲しくて素敵な曲なんだ
 はっきりと覚えている
 若者の服を着こなしていたあの頃を」

歌ってくれよ ピアノ・マン
今夜 歌ってくれ
みんなメロディーに浸っていたいんだ
素敵な気分にさせてくれ

ジョンはバーの中での友人で
ただで飲ませてくれる
ジョークも上手いし煙草の火もすぐに点けてくれる
だけど彼にはもっとふさわしい場所があるはず

彼は言う「きっとこうして死んでいくんだろうな」
笑顔はどこかに消えていた
ムービー・スターにもなれたはずなのに
こんな場所から出ていくこともできたのに

ポールは不動産屋の小説家
妻を見つける暇もなく
彼と話すデイビーはまだ海軍にいて
おそらく生涯海の上なんだろう

ウエイトレスは政治の勉強中
ビジネスマンはゆっくりと酔い潰れていく
彼らは孤独という酒を分かち合っている
だけどひとりで飲むよりはいいものだ


歌ってくれよ ピアノ・マン
今夜 歌ってくれ
みんなメロディーに浸っていたいんだ
素敵な気分にさせてくれ

土曜日はなかなかの盛況ぶり
支配人も笑ってくれる
なぜなら彼らのお目当ては僕なのだから
しばしの間 人生を忘れるために
そしてピアノはカーニバルのように音を鳴らす
マイクからはビールの臭いがする
彼らは瓶に小銭を入れて言う
「こんなところで何してんだ、お前?」

歌ってくれよ ピアノ・マン
今夜 歌ってくれ
みんなメロディーに浸っていたいんだ
素敵な気分にさせてくれ

Always Ascending/Franz Ferdinand

はしごを置いて……

心配するな
この辺りで重力がかかっているだけだから
すべてはゆっくりと昇り 辛抱強く沈んでいる
感じるな
恐怖を感じるな
巻雲が君を撫でる
積雲が君にキスをする
水晶の雨粒
僕らさみしくなるねとささやこう
だけど行こう 解き放とう

常に上昇しつづける
書き出しの言葉にはぼんやりとした終わりが残る
常に上昇しつづける
そのコードは休符のようだ だけど ああ……
不協和音を解決しそうにはない
話しかけてくれ
起こしてくれ

乾きで目覚め
ほこりっぽさに目覚め
良心がうずき
渇きを覚える
水を持ってきてくれ

僕らは上昇できる
このアレンジから
運命が見える
まるでエンターテイメントのように
水をくれ

常に上昇しつづける
シェパードにミスリードされ
君は超えたと思ってしまう
常に上昇しつづける
メロディーの進行を止めて だけど ああ……
不協和音は解決しそうにない

Poupee De Cire, Poupee De Son/France Gall

私はろう人形
音の出る人形
私の心は歌の中に刻み込まれてるの
ろう人形 音の出る人形
 
着せ替え人形と比べて
私はいい? それとも悪い?
人生を軽く見ているようでしょ
ろう人形 音の出る人形

私のレコードは鏡
みんなが私をのぞき込む
同じ時間にどこにでも現れる私
無数の声の破片に砕け散る私

辺りで聞こえる
ぼろ布人形の笑い声
私の歌にあわせて踊ってる
ろう人形 音の出る人形

あの子たちは誘惑に身をまかせてしまう
いつものように
愛は歌の中だけじゃないってことね
ろう人形 音の出る人形

ひとり ときどきため息をついて
考える なんのために
こんな意味もなく愛を歌っているの?
男の子を知ることもなく

私はろう人形
ただの音の出る人形
輝く金髪の
ろう人形 音の出る人形

だけどいつの日か 愛の歌のように生きてみせるわ
ろう人形 音の出る人形
男の子の温もりを感じることもなく
ろう人形 音の出る人形

Ruby Tuesday/The Rolling Stones

どこから来たのか彼女は言おうとしなかった
過ぎてしまえば昨日のことなんて関係ない
太陽が輝くときか あるいは真っ暗闇の中を
誰も知らないあいだに 彼女はやってきてそして去ってゆく

どうしてそんなに自由になりたいかなんて聞かないであげて
そうするしかないのと彼女は言うだろう
しばられたくないのさ 何も得られない人生 何も失わない人生に
どんな目に遭ったとしても

何かを失う時間が惜しい 彼女はそう言った
目の前から消える前に夢をつかまなくちゃ
夢を失って死んだように生き続けるなんて耐えられないよ
つらすぎるよ

さよなら ルビィ・チューズデイ
誰がそんな名前をつけたんだろう?
君が毎日変わってゆくたびに
僕は寂しくなってゆくんだろう

 

 

この曲自体は昔から好きで何度か和訳した記憶もあるのですが
ふと、黒澤ルビィちゃんとこの曲を結びつけて考えたときに
ルビィちゃんの気持ちを的確に表現しているような気がしたので
その気持ちを歌詞に浮かび上がらせながら改めて和訳してみました。
厳格な家庭環境と、アイドルやお洋服といった「夢」の狭間でときに悩む彼女……
まさに「ルビィ・チューズデイ」そのものだと思うのです。